空の旅(11)…コペルニカン・アーミラリー
2017-04-30


下は以前の記事に使った写真の使い回しです。

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似たような写真は、これまで何回も登場していて、たいていは人体模型が話題の主でしたが、今日の主役は、その脇にチラッと写っているもの。

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1786年に、フランスのデラマルシュ(Charles Francois Delamarche、1740−1811)が製作したアーミラリー・スフィアのレプリカ。

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「アーミラリー・スフィア」と称する品は、今でも売られていて、きっとアメリカのホームセンターに行くと、たくさん並んでいることでしょう。

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(eBayで売られているアーミラリーの例)

それらは、単なるインテリアやエクステリアの飾り物と化して、もはや実用性を失っていますが、本来のアーミラリー・スフィアは、天体の位置変化を視覚化する一種の小型プラネタリムであり、星の位置を知るアナログ計算機として、また人が中から覗けるぐらい大型のものは、天球上での星の位置を見定める観測器具として、古代から使われてきました。

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伝統的なアーミラリー・スフィアは、地球を中心に天球の回転を表現していますが、この品では太陽を中心に置き、その周辺を惑星が回転する様を表現しています。

この種のものを、地動説を唱えたコペルニクスにちなみ、「コペルニカン・アーミラリー」と呼びます。(同様に、伝統的なアーミラリーは、プトレマイオスにちなんで、「プトレミック・アーミラリー」と呼んでもいいのですが、あまりそういう言い方はしないようです。)

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(太陽の周囲を回る水星、金星、地球、さらに地球の周りを月が回転している様を表現しています)

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「空の旅」も徐々に時代が下って、今日は18世紀のパリ。

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バロック科学の精華と風格を感じさせるこの品、レプリカとしてはなかなかよく出来ていて、オリジナルの雰囲気を十分醸し出しています。


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