島津創業記念館を後にし、祇園北の骨董街で用を足してから、京阪鴨東線に乗り込み、出町柳の駅から、テクテクと京大まで歩きます。
「自然史」、「文化史」、「技術史」の3部門からなる総合博物館が、組織として発足したのは平成9年。さらに現在の建物が完成し、正式にオープンしたのは平成13年とのことです。つまり今年でめでたく開館10周年。なお、今回私がのぞいたのは、自然史と技術史の展示だけです。
★
自然史部門は、以下のようなテーマにそった展示となっています。
地震(地球の鼓動)
化石(化石から見た進化)
霊長類(京大が生み出した霊長類学)
動物植物(栽培植物の起源)
動物植物(温帯林の生物多様性と共生系)
ランビルの森(熱帯雨林の生態多様性と共生系)
昆虫
統一テーマはあるような、ないような…。
しかし、生態学はやはり大きな柱の1つではあるのでしょう。
今西錦司氏のフィールドノート(1958)。こういうのを、京大の至宝と呼ぶべきか。
京都の哺乳類の展示コーナー。館内はかなり照度を落としています。
★
館内を回って強く感じたのは、展示に「遊び」がなくて、全体が「お勉強モード」になっていることです。つまり、標本類の傍らにビッシリと細かい文字の解説パネルがあって、それをいちいち読まないと、展示内容が理解できない仕組み。
正直、気力・体力が充実していないと、見て回るのはしんどいと思います。
個々のテーマには、もちろん深い学問的意義があると思いますが、展示そのものを一つの「アート」と考えていないことは明らかで、この点で東大の総合研究博物館とは著しく対照的です。
けっこう珍奇な物もあるんですが、展示の仕方が地味(無雑作)なので、あまりおもしろそうに見えないのは一寸残念。
シロアリの標本。
何だか分からない写真ですが、アリの標本。
セコメントをする