ナナフシ類の標本。
他にも南方に生息するゴキブリ類やら、糞虫の仲間やら、興味深い標本がズラズラ並んでいますが、「何となく並んでいる」だけなので、見る人は「ふーん」で終わってしまいます。
展示物の中で、ボルネオに広がる「ランビルの森」の実物大ジオラマは、唯一力が入っていましたが、これも厳しいことを言えば「子供だまし」の類で、「見るたびに新しい発見がある」という性質のものではありません。
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技術史の展示室は完全に手抜きです。
京大では、『近代日本と物理実験機器―京都大学所蔵明治・大正期物理実験機器』(京大出版会)という単行本を出していて、旧制三高以来の備品調査は非常に進んでいるはずですが、こと博物館の展示に関しては、小さな部屋の、小さな棚に、ごく少数の器具が無造作に置かれているだけです。
展示品に1つ1つラベルが付けられているのは、上記調査の成果でしょうが、配列には何の必然性もなく、展示意図が不明です。
どうもブーブー文句ばかり言っていますが、建物は立派なのに、京大の本気具合がさっぱり感じられず、いかにも「片手間感」がぬぐえないので、ちょっと点数が辛くなりました。
(館内から見えた味のある建物)
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京大の奮起に期待しつつ博物館を後にし、さらに今出川通りを東へ。
今回の旅の最後の目的地、Lagado(ラガード)研究所へと向かいます。
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