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前々から書いてみたいと思っていた話題があります。
このブログの基礎概念の1つである「アンティーク」とは何か?という点です。
このブログは「天文古玩」を看板に掲げ、その何となく含蓄ありげな語感で煙に巻いている節もありますが、さて「古玩」とは何ぞや?と正面切って聞かれると、自分でもよく分かりません。いずれにせよ、これは一度は書かねばならぬ話題なので、農閑期(?)の今こそ書いておこうと思います。
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Antique Telescope Society (ATS) という、アンティーク望遠鏡好きの団体があって(本部はアメリカ)、そのメンバーが中心になって情報交換している‘oldscope’というメーリングリストがあります。
上記の件に目が向いたのは、昨年の暮れに、そこで「アンティーク」の語義をめぐる議論があったことがきっかけでした。もっとも、この件はリスト上で従来しばしば繰り返されているのですが、昨年はその議論がかなりまとまった分量になったため、特に目についたというわけです。
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古い望遠鏡に価値をもたらし、「アンティーク」の名を与えるものは一体何でしょうか?
例えば、クラーク製の屈折望遠鏡が、シュミカセ式望遠鏡〔=最近の量産型望遠鏡の主流〕のように大量に作られたとしたら、人はそれに関心を示すでしょうか?クラーク望遠鏡が、これほどまでに関心を惹くのは、その稀少さも一役買ってるんでしょうか?
セレストロン社が最初に作った10インチ望遠鏡は、多少は収集の価値ありと見なされていますし、それがアマチュア天文学に与えた影響を考えれば、望遠鏡の歴史を綴る上で、シュミカセ式には多くのページを割く必要があるでしょう。
もちろん、手元に置くとしたら、私個人としてはクラークの方を選ぶと思いますが…。(K.M.氏)
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上の投稿が議論の発端でした。望遠鏡としての性能、歴史的価値、稀少さ、人々の関心の度合い…価値基準の物差しはいろいろあるわけですが、マニアから見たアンティーク望遠鏡の価値とは何なのか?という点でいろいろ話が展開していくことになります。
(この項続く)
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