嵯峨野の月
2024-02-12


私は茶の湯をまったくやらないので、これは実用の具というよりも、純然たるオブジェに過ぎないのですが、実用性がないからこそ一層風流であるとも言えるわけです。

   ★

能登の地震では、当初は当然のことながら人的被害がクローズアップされていましたが、状況が一段落するにつれて、漁業をはじめ、酒蔵や塩田、そして輪島塗など、地場産業への影響も報道されるようになってきました。いずれも復興には年単位の取り組みが必要とのことです。これらは能登一国にととまらず、他国・他県の暮らしと文化にも直接関わることですから、その復興を強く応援したいです。



【付記】

上の作品を、箱書きにしたがって一后一兆作としましたが、同人作には贋作も出回っているそうなので、「伝・一后一兆作」ということにしておいてください。

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頼りはこの落款ですが、仮にこれが本物だとしても、だから中身も本物だとは限らないという、まことに油断のならない世界なので、なかなか風流の道も険しいです。

ついでながら、以下は石川県立図書館のデータベースで見つけた記事。
掲載されているのは見出しだけなので、さらなる詳細は不明ですが、まあかなり組織的に贋作づくりが行われていたのでしょう。

■「北國新聞」1992年6月26日夕刊
 「輪島塗・一兆の贋作出回る 大阪の業者が販売 漆器組合が警告書
 [URL]

■同1992年7月16日朝刊
 「一兆贋作で2人逮捕 輪島署 製造業者(輪島)と販売業者(大阪) 作品、箱に偽造印 漆器、帳簿など100点押収」
 [URL]


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