嵯峨野の月

コメント(全4件)
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S.U ― 2024-02-13 08:33
落款がホンモノでも中身がホンモノとは限らないのですね。
今なら、中身の細部のと落款の朱肉のにじみを同時に撮影したデジタル写真付きの保証書なり鑑定書なりをつければいいと思います。
 そういうのはすでにあるかもしれませんが、骨董業界はそういう方向に動いてほしいです。
 例えば、外国の古銭鑑定業界では、スラブというケース(カートリッジ)に入れていますが、こんな鑑賞に邪魔なものに入れずに、真贋だけなら、デジタル写真をいればICチップを埋め込んだカードを1枚つければ済む話なのにと思います。実際、登録番号を手で入れればネットで写真が出るような仕組みになっています。(古銭の場合は、美品云々の格付け鑑定もしているので、キズが増えないようスラブに入れているのでしょうが、これは、鑑賞者の趣味人より、転売業者を優先したけしからんやり方と言えるでしょう)
玉青 ― 2024-02-14 17:12
コインの世界にも真贋は常に付きまとうわけですね。
まあ、現行のお金にも偽物が出回るぐらいですから、無理もないですね。

美術工芸品の真贋もすこぶる厄介で、意図的な贋作は論外としても、いわゆる工房作とか、弟子の作品に師匠が自分のサインを入れるとか、古作に後人が手を加えるとか、元々贋作でもなんでもないのに、後世の人が勝手に某氏作と勘違いした作品とか、何を以て真と呼ぶべきか迷う例は結構ありそうです。その意味で、真贋はスペクトルを形成しているのかもしれません。

真贋論争といえば、ゆくりなく下の記事を思い出し、再読して我ながら興味深かったです。
[URL]

ときに業務連絡で恐縮ですが、レポートの最終稿をお送りいただきありがとうございました。ようやくこれで年が越せた気がします(笑)。
S.U ― 2024-02-15 18:41
真贋鑑定というのは、人文学的にも社会学的にも自然学的にも興味深いです。2019年のご引用を拝見し、今では、自然学的な鑑定で、化学、原子物理、放射線物理の最先端を総動員すれば、有機物、無機物、金属、焼き物、鉱物を問わず、時代鑑定はできるのではないかという確信が持ててきました。本来の鉱物や分子が古びるはずはないのですが、表面状態には何らかの微量成分の変化が生じるはずです。ただ、顔料、金箔といえどもその表面の若干の採取を必要とするかもしれません。でも、これでも、師匠が描いたか弟子が描いたかまではわかりませんね。
 コインの場合は、版画の原版にあたる型というものがあるので、鑑定は真正品と細部を比べれば比較的容易です。原版の型が外部に流出して民間人が作った贋作というのも稀にはあるそうですが、そういうのは贋作というのか何というのか存じません。

 協会の件は、確かにこの年次報告が活動の一つの動機になっているという一種の本末転倒的な側面がありますね。でも、色々な天文の話題がハーシェル家に関係あるかどうか一々考えることは、意外に何にでも付く理屈と膏薬という感じで、天文学史の勉強に資することは間違いないようです。
玉青 ― 2024-02-16 19:02
まあ、人的要因によって最後まで迷うケースはあるでしょうが、不埒な贋作者を駆逐できるならば、科学的鑑定の技術の進展に今後も大いに期待したいですね。

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