扉の向こう側
2023-02-14


中川ユウヰチさんのスライドビュアーは、こうして素敵な世界への扉を開いてくれましたが、そんな折に「Open The Door ― 扉の向こう側にある世界」と書かれたお便りが届き、少なからず不思議な思いがしました。

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届いたのは、東京京橋のスパンアートギャラリーで、今月25日から始まる同名の展覧会のご案内です。お便りをくださった島津さゆりさん(どうもありがとうございました)をはじめ、桑原弘明さん、建石修志さん等々、11名の幻想的な作家さんが、「扉」をテーマにした作品を発表される場のようです。

■スパンアートギャラリー公式ページ

ここでいう「扉」は抽象的な意味のそれではありません。文字通りの「扉・ドア」です。

「ドアを開けると広がる幻想の世界。
それが自分の描く未来なのか、今の自分の投影なのか。
何かの期待を込めてドアを開ける日々は、先行きの見えない状況が続く中で毎日目にするアートの力に助けられるかもしれません。
この世界に実在する扉という存在と、その先の想像を表現するオブジェや絵画を中心に、立体、平面作品を交えて展示します。」 
(上記ページ「開催概要」より)

とはいえ、確固たる形をそなえた「扉」が象徴するものの、なんと豊かなことか。
試みに『イメージシンボル事典』で「door」の項を引くと、それは物事の始まりであると同時に死への戸口でもあり、転じて永遠の未来・神の王国にも通じています。キリストは自らを「私は門である」とも言いました。あるいは、扉は外敵を防ぎ、秘密を守るものでもあります。その防御力を高めるため、ときに護符を貼ったり、生贄の血を塗られたりもしました。

生と死内在と超越日常と非日常うつし世と異界平安と危難、そうしたものを仕切るのが扉です。はたして11名の作家さんは、扉の向こうに何を見るのか? そしてその作品を見た人は、自らの内のどんな扉を開けるのか? 

深夜、心のうちに扉を思い浮かべ、その向こうをそっと覗いてみる…。
その上で展覧会場を訪れると、いっそう味わい深い体験になるかもしれませんね。

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