>インスタレーションを行った人は、たぶんフェルメールの有名な『天文学者』
ここで、10年前の記憶がよみがえりました。
1)映画『天地明察』の宮崎あおいさんの望遠鏡のコマの背後の壁の図
2)フェルメールの『天文学者』の壁の謎の図
[URL]
[URL]
[URL]
に加えて、
3)このインスタレーションのG
も似通っていると思います。やはり、かすてんさんのがご慧眼ですべて「日時計」でしょうか?
だとすると、History of Science Museumの真ん中の物の特徴で、これらの図も説明可能でしょうか。
10年もこの界隈をウロウロしていれば、いい加減分かりそうなものですが、いまだに例の絵の正体は不明です。いかんせん情報量が少なすぎるのがネックですね。
フェルメールの絵は、中心の大きな円形図と、それに付属する小さな2つの円形図から成りますが、このミッキーマウスのような3者は一体不可分のものなのか、それとも付属図はあくまでも付属図で、中心の大円図だけでもダイアグラムとして十分成り立つのか、その辺がモヤッとします。たぶん、前者より後者の例のほうが多い気がするので、あまりこの「ミッキーシルエット」にこだわらなくもていいのでは…と個人的には感じています。
記事中の日時計にもミッキーシルエットが見られますが、これは日時計そのものではなくて、一種の万年暦のようです(日時計機能の方は、ミッキーの裏面にあります)。暦というのは、現代でも机辺に置かれがちですから、これは大いに脈ありだと思います。実際、フェルメールの絵に描かれたのと同じぐらい大判で、放射状に塗り分けた下のような万年暦を見つけました(1710年のものだそうです)。こんなのも候補になりそうですね。
[URL]
あと私が気になっているのは、何と言っても、大円図における放射線の描写です。
極端な省筆画の中で、フェルメールがこれを強調しているということは、この放射線こそ本図で最も重要な要素のはずですが、これに似た図として見つけたのが以下です。
[URL]
アーミラリースフィアを側面から描いた図で、放射線の角度がフェルメールのものとよく似ています。これまた候補に挙げておきます。
まあ、答は永遠に分からないかもですが、それだけ謎解きの楽しみは続きそうですね。
日時計ではなくて万年暦ですか。万年暦は、ダイヤル式のものが多いと思いますが、この3つの円形は、ダイヤル式の設計図、すなわち切り抜いて重ねる3層構造を示したものということも考えられると思います。寝室に飾るという意味では、なんらかの暦、または暦計算用のダイヤグラムの可能性は魅力的ですね。
ご紹介の万年暦、あるいはダイヤグラムの例によると、フェルメールの絵の太い線は、実は文字列であるということになりますでしょうか。私は、この謎のために件の絵を見に東京の美術館まで行きましたが遠目にも近めにも太線にしか見えず、文字列を模したものには見えませんでした。本当が文字列なら、フェルメールはそれと知らずに単純な線と思って表現してしまったということになるでしょう。
17世紀の絵ですから、解明にあと数十年や100年くらいかかってもやむを得ないと思います。また、今後の楽しみとしましょうか。