ルネサンス期の天文学者の部屋を覗く
2023-01-14


前回、空想の天文学者の書斎を眺めました。
じゃあ、現実のルネサンス期の天文学者の部屋はどうだったのか?
それを窺わせるのが、かつて(2012年)オックスフォードの科学史博物館で開かれた「天文学のルネサンス」展です。

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そのトップページに、以下の画像が貼られています。

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(上のサイトから入ってもらうと、もっと大きな画像を開くことができます)

窓辺に置かれたアーミラリー、天球儀、日時計、アストロラーベ…。
演出写真とはいえ、当時の天文学者の身辺日常を彷彿とさせます。いずれの品も、現在の評価額は唸るような価格でしょうが、ただこれが絵面として豪華かといわれると、やっぱり地味は地味です。ひとつの島を領有し、立派な城に住んだティコ・ブラーエのような例外を除き、当時の(今も?)天文学者はおしなべて富貴とは縁遠かったと思います。

余談ながら、このインスタレーションを行った人は、たぶんフェルメールの有名な『天文学者』(1668年頃)を意識したんじゃないでしょうか。

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17世紀後半、オランダ黄金時代の天文学者でも「きらびやか」とは程遠い、地味なイメージで描かれているわけですから、その100年前の天文学者が地味でも、ちっとも不思議ではありません。

   ★

ついでなので、上の画像に写っているモノたちの素性を確認しておきます(それぞれ個別の説明ページにリンクを張りました)。

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C〜D ※不明
E カミーロ・グアリーノ・グアリーニ(著)『天界数学論・第一部』
 (Camillo Guarino Guarini、Caelestis mathematicae pars prima、1683)
  ※出品リストになし

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