雑談ばかりではしょうがないので、本筋のことも書きます。
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ヤフオクで、最近こんな星座早見盤を見つけました。
(差し渡し16.7cm、円盤の直径は15cm)
これは嬉しい発見でした。しばらく前に話題にして、その画像だけは目にしていたものの、その実物に接するのは初めてだったからです。
■日本の星座早見盤史に関するメモ(14)…恒星社『新星座早見盤』
上に掲げた写真は、北緯35度の地点で、北を向いたときに見える星空で、裏返すと…
今度は南を向いたときに見える星空が描かれています。
よく見ると、運がよければ南の地平線すれすれに見えるカノープスが、顔をのぞかせています。
この製品は、以前も書いたように、恒星社(※)が戦後まもなく出したもので、考案者は京大の宮本正太郎博士ですが、宮本博士の名前はどこにも表示がありません。また発行年の記載もありませんが、脇に捺された検印から、手元の品は「昭和23年8月28日」に完成したことが分かります。
今回、実際に現物を見て分かったのは、クルクル回る円形星図が、どこにも固定されておらず、地平盤の「ポケット」に挿入されているだけだったことです。
(星座名は、戦前のままの古風な漢字表記)
そして南天用の星図には、日本からは見えない星座もきちんと描かれており、表裏をひっくり返して「ポケット」に入れれば…
地平線から35度の位置に、不動の天の南極があって、その周囲を南の星座がぐるぐる回転しているのが見えます(方位が逆転しているので、「北」は「南」に読み替えてください)。すなわち、これは南緯35度の土地(シドニー、ブエノスアイレス、ケープタウン等)から見た星空なのです。
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