小さな巨人…ソ連の星座アトラス
2020-08-21


アトラスといえば、天空をがっしり支えて立つ巨人ですから、アトラスを名乗る地図帳や星図帳の類も、大きな判型の堂々とした本が多いです。
しかし、中には小さなかわいいアトラスもあります。

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高さは14.5cm、だいだい日本の文庫本サイズですが、これも立派なアトラス。
旧ソ連で1949年に発行されたもので、著者はG. レンガウアー、書名は『カルマンニイ・ズヴェズドニイ・アトラス』と発音します(たぶん)。英語に訳せば、ずばり『ポケット・スター・アトラス』

この淡い青――気取って言えば「錆納戸色」の布表紙もいいし、白い文字と星が目にあざやかで、涼しげな感じがします。

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四隅に圧されたちっちゃな星座絵もいいですね。

旧ソ連には、どうもコワもての印象があるし、しかも本書の版元は、「ソ連邦教育省出版局」というお堅いところなんですが、彼の国は一方で子供文化を大事にしたので、こういう妙にかわいいものも生まれたのでしょう。当時は宇宙開発競争前夜、まだ米ソが宇宙で大っぴらに角を突き合わせる前の時代です。

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表紙を開くと、中にはいろいろな星の解説が載っていて、

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肝心の星図は巻末のポケットに入っています。

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(上は商品写真の流用)

カード式の星図が全部で8枚。
ソ連の国内から見える星ということで、赤緯−30度までの空が表現されています。

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青インクで刷られた文字と星座境界線が、かっちりした感じです。

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星図カードの裏面は、表面の星図にちなんだ天体写真や星の豆知識を載せ、教育的配慮を見せています。

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