世はゴールデンウィーク。
『博物蒐集家の応接間 〜旅の絵日記〜』が神保町で行われてから、すでにひと月以上経ちました。でも、ブログ内の時空は、依然としてあの場に固着しています。「旅」の軽やかさとは程遠い鈍重さですが、地球全体を巡る2千年以上に及ぶ旅の日記であってみれば、歩みが遅いのも止むを得ません。(どうか、そういうことにしておいてください。)
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さて、今日のテーマは「オペラグラス」。
例によって、展示当日のプレートの文面を引いておきます。
「19世紀のオペラグラス」
「イギリスのドロンド社製の双眼鏡(19世紀前半)。観劇用に用いられたので、「オペラグラス」の名がありますが、手軽な星見の道具としても重宝されました。時代は下りますが、天文趣味を広めたギャレット・サーヴィスには、『オペラグラスによる天文学(Astronomy with an Opera-Glass)』(1910)という愛らしい本があります。」
当日は、サーヴィスの本も会場に並べて、オペラグラスと天文趣味の結びつきを視覚化しました。
オペラグラスについては贅言無用と思います。
天界散歩の友としては、スパイグラスよりも一層スマートで、観劇帰り、手にしたバッグからひょいと取り出して、今度は星たちのドラマを眺める…なんていう洒落た紳士や淑女もいたことでしょう。
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ところで、サーヴィスの本の中身ですが、こちらは現代の観測ガイドとほとんど変わりません。
(サーヴィスの本の目次)
章立ては季節ごとになっていて、そのときどきの空の見所を図入りで紹介しています。
春は北斗の季節。
今だと、ちょうど夜の9時ごろに高々と空にのぼった姿が眺められます。
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