アルビレオ出版社の快挙(3)
2014-11-07


昨夜は帰りが遅くなりました。
23時を過ぎ、南上りの坂道を登っていたら、正面に彼がいました。
冬の王者、オリオン。いよいよ彼の季節がやってきました。

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昨日の画像再掲。
太陽系を描いた図ですが、この中心部を拡大します。

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この画像の左右は約55mm、中央の太陽の直径は約5mmです。

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さらに拡大。この画像はおよそ左右18mm。ここまで拡大すると、印刷のドットが見えてきますが、もちろん肉眼では識別できません。

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別の彩色部。原図の左上に当たります。この画像の左右は約80mm。
もちろん原本は見たことがないのですが、そしてまた私の写真の拙さもありますが、印象としては良くニュアンスが再現されていると思います。

そして、これは重要な点ですが、マットな紙なので、そこに非常にリアリティが伴います。どんなに精細な印刷でも、ツルツルの紙では興醒めでしょう(まあ、精細に再現するためにツルツルな紙を使用しているのでしょうが)。
何というか、これが画集や図録であれば、それでもいいのです。むしろツルツルの紙の方が、モダンな美術館の冷たい床を思わせていいぐらいです。しかし、「モノとしての本」を再現しようするときには、この紙のテクスチャーの要素は非常に大きな問題で、それによって本の存在感がまるで違ってきます。

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図版ページの裏面。紙の表情が出ています。

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同じく裏面。この星図帳は、要するに1枚ずつ独立した版画を、二つ折りにして綴じたものなので、図版ページの裏はそれぞれすべて白紙になっています。ユリウス氏は、ここでも手をゆるめることなく、原本の汚れ、しみ、裏写り、手ずれの跡を印刷で完璧に再現しています。

元の図に戻って、今度は線刻部を見てみます。

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右下に見える天使の一部拡大。画像サイズは、左右約28mm。

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こちらは天使の隣に微笑む女神。同じく約32mm。

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