ヴェルサイユ、科学、ジャポニスム
2013-12-22


連想尻取り式に三題話を続けます。

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2010年から2011年にかけて、ヴェルサイユで「ヴェルサイユ宮殿における科学と好奇心」という展覧会が開かれていました。17〜18世紀の宮廷における、科学の営みと科学者の生態をテーマにした催しです。

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私は図録を見てその内容を想像するぐらいですが、今検索してみたら、CGを多用した360度の巨大パノラマ動画の上映があったり、ずいぶん斬新かつ意欲的な展示だったようです。

Siences & curiosites a la cour de versailles 公式サイト
[LINK]
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関連動画 exposition "Sciences et curiosites a la cour des Versailles"
[LINK]
[URL]

で、その図録の中身なんですが、ヴェルサイユというぐらいですから、当然こういうロココチックなものも登場します。

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(18世紀半ばの天文時計)

   ★

しかし、図録の中で私が最も目を奪われたのは、科学と日本趣味が奇怪な融合を見せた一連の科学機器です(以下、装置の名称は適当な仮訳です)。

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(上から アルキメデスの螺旋、二重ネジ式プレス、三斜路実験台)

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むう、高台寺蒔絵風のこのデザインはいったい…?
19世紀後半、ジャポネズリーやジャポニスムがフランスの美術界を席捲するほぼ1世紀前、こういうベタな日本趣味が彼の地でもてはやされ、しかもそれが科学と結びついていたとは驚きです。

図録には、他にもこの手のモノがごろごろ出てきます。

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(真空ポンプ、羅針盤)

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(間欠噴水、圧縮噴水)

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(左上から時計回りに、人工眼球〔眼球の構造を模した光学装置?〕、燃焼ポンプ、遠心分離機、水ポンプ)

ちょっと中国趣味の混じっているモノがあるのはご愛嬌。
何だか時代劇で、殿様が腰元相手に妙な実験に興じている光景が目に浮かびますが、日本の殿様ならぬ、フランスの王様がこんなものを愛好していたと聞くと、ローエルが言うように、フランス人と日本人の精神構造は似ているのかなあ…と一瞬思います。


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