小さな泡。泡。泡。泡。泡泡泡。。。。…泡箱のはなし(1)
2009-08-05


禺画像]
私の住む地方でもようやく梅雨が明けました。
長いこと待たれた日射しですが、実際に降り注ぐとなかなかに暑いです。

それを見越してのことか、先日、某氏から涼しげな栞が送られてきました。
この栞の元が何だかお分かりでしょうか。
この透明感あふれる栞は、かつて尖端的な実験で使われたフィルムの断片で作られているのです。

  ★

泡箱。
かつて霧箱と並んで、素粒子の軌跡を肉眼的に観察するために使われた物理実験装置です。

原理は比較的単純です。直径1メートルほどの装置には液体水素が満ちており、加圧減圧が自由にできるようになっています。今、圧を一気に下げると、液体水素は一触即発で気化沸騰するような不安定な状態となり、わずか1粒の荷電粒子がそこを走り抜けただけで泡立ち、粒子の軌跡が泡の列として目に見えるようになります。
その曲がり具合や反跳の仕方から、粒子の性質が分かるのだそうです。

それを解析するために、1970年代に記録されたフィルムが、すなわちこの栞の前身です。

(つづく)
[物理・化学・工学]
[写真・幻燈・スライド]

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット