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■Splendour of the Heavens: A Popular Authoritative Astronomy
T.E.R. Phillips and W.H. Steavenson (eds.)
Hutchinson, London, 刊年なし(初版1923)
976p. 4to(高さ27cm)
「…それはいつかカムパネルラのお父さんの博士のうちで
カムパネルラといっしょに読んだ雑誌のなかにあったの
だ。それどこでなくカムパネルラは、その雑誌を読むと、
すぐお父さんの書斎から巨きな本をもってきて、ぎんが
というところをひろげ、まっ黒な頁いっぱいに白い点々
のある美しい写真を二人でいつまでも見たのでした。」
「銀河鉄道の夜−午後の授業−」
ジョバンニとカンパネルラが見入った本。
ここに出てくる「ぎんが」は何か?というのが一寸気になります。
文脈からすれば Milky Way に他ならず、賢治もそのつもりで書いたのでしょうが…。
ただ、20世紀初頭において実際に被写体として好んで取り上げられたのは、星雲(銀河も含む)や星団の類なので、二人が見ていたのもそんな写真ではなかったか、という気が何となくします。
賢治がこれを書いていた頃は、渦巻き星雲が我が銀河系と同等の存在だという認識が生まれつつあった時代背景を考えると、なおさらそう思えます。
(この項続く)
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