月明かりの道化師
2017-10-24


ゆうべの仕事帰り、くっきりした三日月が、紫紺の空に浮かんでいるのが見えました。そして西の地平線上に、黒々とした雲が、まるで山並みのようにそびえ、なんだか自分が、見知らぬ山国の町を歩いているような、不思議な気分になりました。

月を眺めて、思いを癒やし、そして思いを凝らす――。
本当に月は良き隣人です。

   ★

月を描いた紙物を物色していると、ときどき「月にピエロ」の画題に出会います。

禺画像]
(月にピエロのトランプ。eBayの商品写真を寸借)

あれは歴史的にいろいろな意味合いがあると思うのですが、その一つのイメージ源が、フランス古謡の「月の光に(Au clair de la lune)」であるらしいことに気づきました。その愛らしい歌は、例えば下のリンク先で聞くことができます。

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そして、

  Au clair de la lune,
  Mon ami Pierrot,
  Prete-moi ta plume
  Pour ecrire un mot.

   月の光に、
   わが友ピエロ、
   君のペンを貸しておくれ、
   一言書きとめるために。

…で始まる歌詞とその訳は、すべてウィキペディア『月の光に[LINK]』に掲載されています。

歌全体の流れでいうと、ピエロは単なるダシで、その後に続く恋の成就こそ眼目なのですが、心優しきピエロがさりげなく恋人を導くところに、ピエロという存在の真価(と孤独)はあるのでしょう。

   ★

禺画像]

その『月の光に』の、ちっちゃな手回し式オルゴール。
この月の絵の箱は、売り手がインクジェットプリンタで作った間に合わせのもので、肝心なのはこちらの本体です。

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心がささくれ立っているときなど、暗い部屋でこのオルゴールを静かに回すと、ちょっと気持ちが優しくなれる気がします。

[月・月食]
[こまごまグッズ]

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