或るパリの博物館
2017-07-15


真実とは純粋で単純なものだ…と、私なんかは単純に思ってしまいます。

でも、さっき古書を探していたら、ふと「真実が純粋であることは滅多になく、単純であることは決してない(The truth is rarely pure and never simple.)」という、文学者オスカー・ワイルドの警句が画面に表示されました。

たぶん、これは「真実」と、どれだけの距離で向き合うかにも拠るのでしょう。
すなわち、たいていの真実は遠くから見れば単純だし、近くから見れば複雑なものです。いずれにしても、ワイルドの言葉は半面の真理を含んでいます。

   ★

さて、机上のモノがゴチャゴチャになってきたので、少しずつ片付けなければなりません。そのためには、記事を書くのがいちばんです。記事にすれば、自分の中で区切りがついて、安心して本来あるべき場所にしまえるからです。

そんなわけで、少しずつ記事を書いてみます。

禺画像]

「パリ天文台」で検索していたら、上のような絵葉書が売られているのを見つけました。
さすがにこれは天文台の光景ではないだろう…とは思いましたが、細かい説明が何もないので、謎のような気分を引きずりながら購入しました。

禺画像]

この空間の正体は、絵葉書の裏面を見て、ようやく判明しました。
(販売ページには裏面の写真がありませんでした。)

これは、パリ天文台からリュクサンブール公園へと抜ける「オブセルヴァトワール(天文台)通り」沿いにある、「パリ大学薬学部 生薬博物館」の内部の光景だったのです。

そうと分かってみれば、この謎めいた空間も何ら謎ではありません。

禺画像]

机上の古風な顕微鏡。
棚に収められた無数のガラス壜。

禺画像]

天井近くに掲げられた掛図や版画。

禺画像]

窓から差し込む弱い光に照らされて森閑とした室内。
――確かに謎ではないですが、でもやっぱり謎めいたものが残ります。

  ★

ところで、絵葉書の裏面を見て、ちょっと思い出したことがあります。


続きを読む

[医療・薬学]
[絵葉書]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット