切手のようで切手でない「
切手風シール」。
その実例として、以前、ドイツの地方都市の市章を刷り込んだシールを眺めました(
[URL])。
あの手のものを、そもそも何と呼べばいいのか迷ったのですが、何でも英語だと「ポスタースタンプ」と呼ぶそうで、英語版Wikipediaに、その解説がありました。
冒頭の概要と「定義」の項を、適当訳してみます。
【概要】
ポスタースタンプとは、普通の郵便切手よりもいくぶん小型の宣伝用ラベルで、19世紀半ばに登場すると、ただちに一大収集ブームを巻き起こし、第1次世界大戦まで大いに人気を博したが、第2次世界大戦がはじまる頃には、その人気も衰え、今や「シンデレラスタンプ」(※)のコレクターを除けば、ほぼ忘れ去られた存在となっている。
【定義】
ポスタースタンプは公的存在ではないため、正確に何がポスタースタンプであり、何がそうでないかという点について議論がなされてきた。1つの定義は、「切手としての額面表示を欠き、郵便に使用できないラベル。宣伝用ラベルまたはチャリティラベルのこと」というものである。
〔※引用者注: シンデレラスタンプというのは、主に郵趣家サイドからの呼び方で、歴史的存在としてのポスタースタンプに加えて、現在も発行されているクリスマスシールなども全てひっくるめて呼ぶ言い方のようです〕
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アメリカで発行された、そのカッコイイ実例。
1888年に運用を開始した、カリフォルニア州ハミルトン山頂に立つ、リック天文台のポスタースタンプです。
アソシエイテッド石油(Associated Oil Company、本社・サンフランシスコ)が、1938年〜39年に発行したもので、主に西海岸の風物に取材した総計100枚以上に及ぶシリーズ中、このリック天文台の絵柄は、通番46に当ります。
星月夜の天文台。
月の観測をする場合を除き、天文台にとって明月はあまり歓迎されない存在でしょうが、こうして眺める分には、実に美しいイメージです。
まさに絵のような、詩のような…。
小さな画面の向うに、無限の宇宙が広がっているという、その不思議なコントラストにも惹かれるものがあります。
(なお、下のスタンプはミシン目の位置がずれていて、普通の切手だと「エラー切手」として珍重されますが、ポスタースタンプの場合は単なるエラーです。)
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