キノコ本(1)
2016-11-09


博物趣味の世界も広いですが、その中で巨峰を形成しているのは、昆虫とか、貝とか、化石とか、何となく蒐集欲をそそり、かつ実際に蒐集行為が成立しやすい対象だ…という共通点があります。(歴史的に見れば、博物趣味と収集行為は双子のきょうだいのようなものです。)

それらと並んで、キノコも、昔から熱い博物趣味的視線を向けられた存在です。
しかし、(少なくとも19世紀のナチュラリストにとって)キノコはなかなか保存が難しい相手で、蒐集とは結びつきにくかったように思います。

それでもなおかつキノコが人気を誇ったという事実は、いかにキノコそのものが、人々にとって魅力に富む対象であったかを物語るものでしょう。

   ★

色・形の保存が難しいキノコを前に、人々は盛んに絵筆を走らせ、あのファーブル先生も、たくさんのスケッチを残した…ということは、前に書きました。

■ファーブルのキノコ本
 [URL]

一般の出版物としても、キノコの図譜はいろいろ出ていて、今も古書市場の人気者です。高価な図譜とは無縁にしろ、私もそうした本を何冊か手にしたことがあります。
談がたまたまキノコに及んだので、この機会に、キノコ本の世界を覗き見ることにします。

(この項つづく)

[理科系古書(天文以外)]
[動・植物]

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