天文家への警鐘…カテゴリー縦覧:写真・幻燈・スライド編
2015-06-04


昨日の絵葉書は、天文家が天使におちょくられてギャフンとなる…というオチのようでした。天文学がいくらハードサイエンスだ、ビッグサイエンスだと、しかつめらしい顔をして見せても、やはり筒先を空に向けて、星界の消息を覗き見しようとする時点で、なにがしかの怪しさは逃れ難く、異形の者に魅入られたりすることもあるわけです。

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(左右の差し渡しは21.5cm、丸窓の径は6cm)

上は19世紀フランスの幻灯種板。
金属ケースの中を、ガラス絵がスライドすることで、絵柄が変るという仕掛けが施されています。

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このやっぱりトンガリ帽子の古風な天文家も、最初は熱心に太陽や流れ星を観測していました。そして天界の驚異を目にして、大いに心が満たされていたのです。

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しかし、好事魔多し。
彼の視野にはいつか悪魔の跳梁が見えるようになります。
そして、耳には悪魔の囁きが…。

   ★

天文家たるもの、第一線の研究者から、ベランダ観望家に至るまで、これは大いに用心せねばなりません。大宇宙は―その恐るべき虚無は―なまなかな気持ちで対峙できるような相手ではありません。

ときには筒先から目を離し、グラスを傾けたり、パイプを握り締めたりする必要があろうというものです。

[天文趣味史]
[写真・幻燈・スライド]

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