世界の果てへ
2014-12-05


ときどき、人はふっと遠くに行きたくなることがあります。すべての日常を捨て、無限の彼方に消え去りたいような気持になることが。私が…というよりも、一般論として、そういうことはあると思います。

それが夢想にとどまらず、現実に失踪する人もいて、今だと精神医学的枠組みで解釈されることが多いのでしょうが、昔は主に宗教的文脈(回心と遁世)、あるいは超自然的文脈(神隠し)で語られました。

人はなぜ遠い世界を目指すのでしょう。
理由は分かりませんが、そうせねばならぬという、理性を超えた衝動が人の心の中に潜んでいるのは確かです。

禺画像]

1920年代と思われるガラススライド(ドイツ製)。幻燈の種板です。

禺画像]

アルゼンチン南部の海を群れ飛ぶカモメ。
真っ青な空、真っ青な海―。

もうこの先には南極大陸しかありません。
何だか切ない光景だし、寂しい光景でもあります。

でも、これを見ていると、「世界の果てへ…世界の果てへ…」と、微かに気持ちが疼くのをふと感じます。

[動・植物]
[写真・幻燈・スライド]

コメント(全5件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット