海嘯になびく旗
2014-06-29


ここでは、6種類の標識(球、円柱、上向円錐、下向円錐、両円錐、対向円錐)を6個組み合わせることで、「いつ、どれだけの勢力の台風が、どこにあって、どちらの方向に、どれだけの速度で進行しているか」を伝達できるようになっています。

禺画像]

具体的な使用例。
頂部の標識が時刻と台風の強弱、左側にぶら下がっている3個が台風の位置、右側の2個が進行方向と速度を示しており、全体として「昨日午後六時、台風本州南東岸ニ在リ北東ニ進行ス。速一時間十乃至二十哩〔マイル〕。台風ノ強弱明ナラズ」の意になります。

禺画像]

標識信号と台風の中心位置を対照させた地図。

禺画像]

↑は夜間標識対応地図。
夜間標識は赤・白・黄の3色灯を用いるため、記号が少ない分、昼間標識よりも情報量がぐっと減りますが、それでも概略だけは何とか伝えようと、工夫をこらしています。

禺画像]

   ★

調べていて、もう1つ驚いたこと。
この印刷物を出した「海文堂書店」は、大正3年(1914)に創業した老舗書店で、海事専門書をはじめ、郷土誌や人文系の品揃えで、神戸では有名なお店だったそうですが(寡聞にして知りませんでした)、昨年9月30日、すなわち「神戸海洋気象台」の終焉とともに店を閉じられたそうです。なんと因縁めいた話でしょうか。
(ちなみに東京の海洋堂出版はここの分かれだそうです。)

   ★

日本の周囲は今も青い海です。
されど…

戻る
[気象]
[乗り物・交通]

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット