王立天文学会図書館 刊行蔵書目録集成 Printed Catalogues of the Library of the Royal Astronomical Society』を美しい2巻本として出版した〔引用者註:実際には1884年から1940年にかけて発刊された複数の目録をまとめたもの〕。これらの参考図書は、ルーサーが定期的に発行していた本のカタログと同様、天文古書のコレクターや書誌学研究者にとって無上の価値を持つものである。」
ここに出てくる天文書誌類は私の手元にもあります。こう書くと、何だかいっぱしの天文古書通のようですが、そうした本を座右において常に参照しているわけでもなく、「単にある」だけなので、無駄といえばまったくの無駄です。ただ、そうした本の向こうに仄見える「天文古書の壮大な森」に対する畏敬の念や、自分もそうした本を手元に置くことで、大いなる世界に参入する切符を手に入れたような気がして、何となく虚栄と自己満足の気配は感じましたが(その要素は十分あります)、思い切って購入したのでした。
それに、最後の2巻本の購入を勧めてくれたのはルーサー氏ご本人です。
以前、『天文家に関する書誌』についてメーリングリストで質問したところ、即座にルーサー氏がお便りをくれて、近刊の『王立天文学会…目録集』についても教えていただきました。そのときには、すでに氏の学殖が並々ならぬものであることが分かっていたので、迷わず予約注文しました。
…しかし、その頃にはルーサー氏の商売は、徐々に、そして急速に斜陽化しつつあったのです。
(長くなるので、ここで記事を割ります。この後、サンダーソン氏のメールは「黄昏」の核心に踏み込みます。)
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