2013-07-27
冷ややかな鉱物を愛で、鉱物にちなんだ酒肴や和菓子に舌鼓を打ちつつ、さらに趣深い19世紀の鉱物画や、愛らしい鉱物切手も並ぶとあって、フジイさんが提唱される鉱物趣味の世界に惹かれている方にとっては、まさに理想の空間ではないでしょうか。
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以下、鉱物画に寄せて思ったこと。
鉱物画は文句なしにカッコいい。なぜ鉱物画はカッコいいのか?と云えば、描かれている鉱物そのものがカッコいいからだ…というだけでは、十分な答になってない気がします。
「いや、鉱物画は、鉱物を“カッコよく”表現するために描かれたんだから、肖像画が本人よりも立派に見えるように、生身(?)の鉱物よりもさらにカッコよくて当然だよ」…といえば、かなり正解に近づくかもしれません。
しかし、単なる美化や理想化の原理だけが、鉱物画をよりカッコいい存在たらしめているのか…と云えば、まだ足りないものが残るような気がします。うまく言えませんが、あらゆる「表現」や「アート」がそうであるように、表現対象を超えたプラスαの要素がそこにはある気がします。
この場合のプラスαとは、たとえば分類への執念とか、対象を(そして世界を)理解したいという欲求とか、透徹した理知への憧れとか、そんなものかもしれません。
まあ、これは鉱物画に限らず、博物画全般について言えることかもしれませんが…。
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