妖しい絵の素性を探る (後編)
2012-03-18


(昨日のつづき)

その本とは、あのカミーユ・フラマリオンのベストセラー、『一般天文学 Astronomie Populaire』のドイツ語版です。

Camille Flammarion,
 Himmels-Kunde fur das Volk.
 N. Zahn, Neuenburg, 刊年なし
1907年頃)
※複数の古書カタログが、この本の刊年を1907年頃と記載しているので、きっと典拠があるのでしょう。今はそれに従います。

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さて、待つことしばし。ドイツの田舎町から船便で届いた本を、ふるえる手で開くと…

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「あった!!」

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↑タイトルは「日本における黄道光」

フラマリオンの原著は、何回も版を重ねており、とりあえず初版(1880年)と1925年版をチェックしましたが、どちらにもキーナーの挿絵はないので、彼の挿絵はドイツ語版独自のもののようです。

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↑印刷を手掛けたのはスイスのベルンの会社です。やはりこれはドイツ語版を出すにあたり、独自に増補した挿絵なのでしょう。

   ★


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