列島は昨日から大荒れ。木はごうごうと唸り、電線はヒュンヒュンと泣きました。
風速が20メートルを超えると風力階級は9、そして30メートルを超えると11、さらにマックス12に達します。講談社の図鑑の説明図でいうと↓のような状況。
30メートル以上の風が吹くと、都市は完全に破壊!されてしまうようです。まあ、この図は瞬間最大風速ではなくて、一定時間以上吹き荒れた場合を想定しているのかもしれませんが、いずれにしても風の力とはすさまじいものです。
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さて、天文篇の扉。右上には、
「空は、どこまでひろがっていて、どのようになっているの
だろうと、静かな夜など、はてしもなくひろがっている宇宙の
ことをかんがえていると、ふっとこわくなるようなことがあり
ますね。」 …と書かれています。
いったい学習図鑑の編集というのは、どういうふうに行われたものでしょうか。
著者として名を連ねていた研究者が、実際どこまで執筆に参加していたのか、単なる名義貸しだけの場合もあったんじゃないかなあ…と想像するのですが、上の一文は、なんとなく著者・古畑正秋氏(当時東京天文台測光部長)が自ら書いたような気がします。というのは、古畑氏は巻末の著者紹介のところで、こうも書いているからです。
「わたしは小さなとき、夜、床の中で「あした昼間がもどって
こなかったらどうしよう」とこわかったのをおぼえています。
このようなことを、ばからしいぎもんと思わず、といていくのが
正しい勉強のしかたです。」
古畑氏は感じやすい少年だったのでしょう。
宇宙を「こわい」と思う感覚、広大な世界への畏怖の念。子供のときにそうしたものを感じることは、とても大切だと思います。まあ、これは「感じろ」と強制すべき性質のものでもありませんが、でも夜中にスヤスヤ寝ている良い子も、ときには深夜の妖しい気配を感じながら、星空を見上げる経験をしてもいいんじゃないでしょうか。
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話がそれました。もうちょっと図鑑の中身を見てみます。
まずは、保育社の図鑑との微妙な時代相の変化を見るために、<火星>と<プラネタリム>の記述から。
火星には、「地球よりもずっとうすいが、大気や、水じょう気・酸素もあり、表面の温度も、赤道地方の昼は10℃ぐらいです。植物もはえ、動物も何かいるのではないかといわれています」。
とりあえず火星人と運河は消えました。しかし、依然植物の存在は信じられており、動物にも期待がかかっています。この頃はまだまだ火星ロマンが健在ですね。
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