古玩談義〜アンティークとは何か(3)
2007-11-08


禺画像]
(↑何かと引き合いに出される、セレストロン製のシュミット・カセグレン式望遠鏡。最新のCPC800XLT型。そろそろ「マニア」の域に達する人が、ボーナスを張り込んで買うような機材。しかしまだ上を見ればキリがない。。。)

「アンティーク」の語義をめぐって、話は続きます。

 ★ P.L.氏

「望遠鏡は、どの時点で『アンティーク』と呼ばれるようになるんですか?あるいは、『ヴィンテージ』と呼ばれるのはいつから?」これは私自身よく尋ねられることです。2つの単語の使い方に、何か決まりがあるのかどうかは知りませんが、ブラッシャー製の対物レンズについて最近のスレッドで、J さんはこう書いていました。

「私の住むオランダでは、古い物を売却する際、100年を越えた物であれば公式に『アンティーク』と呼ばれます。それがどんなものでも、例えば椅子でも、絵でも、科学機器でも、100年以上古ければ『アンティーク』と呼ばれるのです。しかし、別に法律で決まっているわけではありません。習慣的にそうなっているだけのことです。ヨーロッパの他の国々でもほぼ同様だろうと思います。しかし、アメリカでは違うかもしれません。」

うろ覚えですが、ATSのメンバーがどこかで、アメリカでは50年以上経った望遠鏡は公式に「アンティーク」と定義されると言っていたような気がします。

いっぽう「ヴィンテージ」という語には、「アンティーク」という語ほど正確な定義がないように思います。「ヴィンテージ」物というのは、確かに「古い」物には違いないんでしょうが、その年代を明示するものではありません。思うに、「ヴィンテージ」というのは、その物に大きな価値を認めたときに使われる語ではないでしょうか。19世紀の望遠鏡もそうだし、20世紀の年代物の自動車もそうでしょう。違いますか? 

 ★★ K.T.氏

最近変更があったなら別ですが、アメリカにおける「アンティーク」の「公的な」定義(輸出入の際に関税がかかるかどうか)は、100年以上の古物というものです。しかし、税関の力も自称「アンティークショップ」までは及びません。そこには私の靴より古い物など何一つありはしないのに!

ともあれ、アメリカ国外から望遠鏡を輸入しようと思ったら、それがアンティークと呼ばれるには100歳であることが必要なのです。

 ★★★ K.L.氏

私もまったく同様に理解しています。アメリカに物を輸入する際、少なくともアメリカ市民であれば、100年以上古い物ならば、輸入税(関税)がかかりません。個人的経験によれば、税関吏は、送り状や領収書にそう書いてあれば、あるいは関連する本や雑誌にその年代が記載されているだけでも、アンティークだと認めてくれます(まったく、ざる法もいいところです)。

-------------------------------------------
■メモ■

法的な定義、これは1つ参考になりますね。投稿者の言うとおり、それでアンティーク市場が制約されるわけではないにしろ。それに、100年以上というのは、必ずしも役人が恣意的に決めたわけではなく、世間の常識に従った部分もあるのでしょう。しかし、物によってはアンティーク即100年とは言い切れんぞ…という声がすぐに出ました。

(この項つづく)
[望遠鏡]
[古玩随想]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット