19世紀末〜20世紀初めに出た「おまけ星図」(2)
2006-07-13


禺画像]
1886年に、People's Publishing Company (New York)から出た地図帳から取ったもので、「四季の原理 Theory of the Seasons」と題された図(部分)。

昨日の図に較べると、妙に古風な感じを受けますが、そうした感じはどこから来るのでしょうか?

画題自体が伝統的だということもありますし、緯度線が妙に湾曲した地球や、唐突に描かれた羅針盤なんかも古めかしく感じる理由の一つですが、最大の理由はもっと細部、すなわち装飾的な矢印や、細線による陰影表現にあるのではないでしょうか。それこそが、この図の素性(=伝統的な版画技法による産物)を示すものであり、「19世紀っぽい雰囲気」を生んでいるのだと思います。

世紀の境目をまたぐ四半世紀の間に、天文学の進化と並行して、天文趣味を表象する図像表現にも大きな変化があったことを感じますが、このことはまた別項で取り上げたいと思います。
[星図]
[太陽系全般]
[版画・エフェメラ・切手など]

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