コメント(全4件)
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S.U ― 2024-07-18 07:32
おぉ、違うのですね。私は、服の流行はわからないので、やはり天文機器に注目します。どちらかがどちらの模写だと仮定します。すると細部がいい加減なほうが模写の可能性が高くなると思います。
アーミラリースフィアの赤緯目盛環(あるいは地球儀で赤道、回帰線、極圏にあたるものでしょうか)の描写が両者ともいい加減に見えます。複数の円環が地軸に対して垂直の面として平行に収まらないといけなのに、そこが不明瞭で傾いているように見えます。画家や赤緯目盛環の原理を知らなければそうなることもあるでしょう。オックスフォード蔵のものがマシにみえるように思います。模写する人が図鑑なども参考にしていたら、マシなほうがオリジナルとは断定はできませんが、両方ともいい加減なら、マシなほうがオリジナルの可能性が高いと言えるかもしれません。
玉青 ― 2024-07-19 14:17
おお、これは卓見ですね。
>細部がいい加減なほうが模写
あはは、コピーを重ねていくとだんだん劣化していくのが世の常ですよね。
で、改めて両図を見比べてみました。記事中の図は元画像の解像度の関係で、手元の「セイヤー版」の方が描写がへなちょこに見えますが、現物は(金属版ですから当然ですが)オックスフォードの「ブル・ボイデン・ハーバート版」と同様に、鮮明な線で刻されているので、そうへなちょこでもありません。
そして肝心のアーミラリースフィアですが、私の目には「セイヤー版」の方がしっかり描けている、すなわち「分かって描いている」ように見えます。「ブル他版」は「わからぬまま他人の絵を写している」感があって、そこからすると、1750年代と制作年代の確定している「セイヤー版」の方が、やっぱりオリジナルではなかろうか…という気がしてきました。
問題は極圏に相当する環の表現が、いずれもおかしいことですが、これはたぶんアーミラリースフィアの現物を見てスケッチしたのではなく、何かアーミラリーの説明図を見て描いたせいではないかと思います(その意味では、「セイヤー版」もやっぱり「わからぬまま他人の絵を写している」ことになるのですが、1次コピーなので、まだ劣化が目立たないということかもしれません。)
S.U ― 2024-07-19 17:14
お調べありがとうございます。
これは、「正真正銘のオリジナル」であっても、「わからぬまま他人の絵(図鑑や見本帖など)を写している」としても何の不審もないので、なかなか決め手にはなりませんね。
玉青 ― 2024-07-21 08:19
今ひとつ決め手に欠けますが、「パリの暇人」さんから心強いお言葉も頂戴したので、ここは「親馬鹿」で、手元の品をオリジナルとみなすことにしましょう。
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