コメント(全4件)
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S.U ― 2020-07-12 15:50
>追憶の川でありしよ天の川
こう言われると、現在の私がたまに見る天の川は、追憶の川以外のなにものでもないように思えてきました。おそらく今後も私の目の見える限りずっとそうでしょう。
ところで、玉青さんは、「追憶」という唱歌をご存じでしょうか。「星影やさしくまたたくみ空」で始まる古関吉雄の歌詞がついています。私は、中学校の音楽の教科書で知りました。教科書に載っていなかったら今もしらないかもしれません。 星空が追憶であることを感じさせてくれる名曲で、特に「澄みゆく心に」という部分の歌詞とメロディとのマッチは絶品だと思います(と子どもの頃から思っています)。今もYouTubeにあった鮫島有美子さんの歌唱で聴いてみましたが、記憶と違いませんでした。
Wikipedia等をたどると、元歌は"Flee as a bird"という賛美歌で、日本語詞は訳ではなく日本で勝手につけたもののようです。元の作曲者は不明で、賛美歌として発表したメアリ・ダナ・シンドラーによって「スペイン民謡」とされていますが、世界の人の探索の努力にもかかわらずスペインに元歌は見つかっていないそうです。
私の感想では、1841年に民謡から採られたにしては、完成度が高く不思議な曲だと思います。ずっと好きな曲だけに、名のある作曲家の隠れた作品ではないかとかルーツが気になるのですが、これはもうどうにもならないでしょうね。
玉青 ― 2020-07-13 08:40
これは素敵なご紹介をありがとうございました。
「追憶」の名には覚えがなく、動画を見ても記憶が蘇らないので、おそらくこれが人生における初聞きです。本当に心にしみる美しい歌ですね。寂しく悲しく、それでいて甘美で温かい…それこそが「追憶」というものでしょう。
原曲の謎は残りますが、ダナ夫人(ダナ未亡人)は先年、夫と子供を流行り病で喪った悲しみを、愛する音楽で乗り越えようとしていた時期にあたるらしく、功名心から偽りを述べるとも思えないので、彼女がこれを「スペインの曲」と認識していたのは事実なのでしょう。おそらく南部暮らしの間に、スペイン系の人から聞き覚えたのかな…と思ったりもしますが、そうした彼女の生活史を思いながら、日本の「追憶」を聞くと、いっそうしみじみします。
S.U ― 2020-07-13 17:52
こちらこそ、素晴らしいご感想と情報をありがとうございました。
ダナ夫人について詳しいことは何も知らず、単に1841年ということで、どこから湧いて出たかと驚いていたのですが(なんせ同年、フォスターはまだ15歳、ビゼー3歳、タレガもアルベニスも生まれていないということで)、コメントを拝見して、もはやそういう問題ではないと感じました。
これは隠れた著名作曲家とか天賦の才とかではなく、時代や国を超えた土台としての文化の力のように思います。スペインの風土、アメリカでの信仰生活、それに加えて日本の詩人や後世の編曲者や歌手の力もすべて含めて、とにかくこうなったとしかいいようがないような気がしてきました。
玉青 ― 2020-07-14 21:57
人智を超えた…というと、神がかってきますが、いろいろな歯車が時代を越え、国を越えて、うまくかみ合って妙音を奏でたことは、まことに嘉すべきことです。
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