“魔物や幽霊は、イングランドのような明るい南の土地よりも、ドイツのハルツ山脈や「黒い森」にこそ似つかわしい。そして、彼の地の子供は、イギリスの子供よりも、不思議な存在にいっそう心が開かれている”ので、ことさらドイツの少年を主人公にしたんだそうです。
ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』が出たのは、19世紀も末の1897年のことですが、あれも東欧ルーマニアこそ、ホラーの舞台にふさわしいという考えがあってのことでしょう。そして、ルーマニアほどではないにしろ、イギリス人にとって海の向こうのドイツは、怪奇と幻想により近く感じられた…というのが、ちょっと面白かったです。
まさに「神秘とは遠くにありて思うもの」ですね。
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